サルゲッチュの面白さを振り返る-ピポサル達との”おバカ”な思い出

まとめ
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子供の頃、夢中になっていたゲームの1つに「サルゲッチュ」があります。

シリーズは何本もありますが、基本的にはピポサルというサルが町中でいたずらをしているので、阻止するために主人公が逃げるピポサルを追いかけ、捕まえに行くというお話です。

2010年に「フリフリ!サルゲッチュ」がPS3で発売されてから、サルゲッチュシリーズは発売されておりません。

しかし、実は「フリフリ!サルゲッチュ」はサルゲッチュシリーズのスピンオフ作品であり、本来サルゲッチュのメインシリーズは1、2、3とナンバリングされているものでした。

最後のサルゲッチュメインシリーズは「サルゲッチュ3」であり、こちらは2005年に発売されたゲームであることを踏まえると、サルゲッチュ本編は2005年に終了したゲームだと言えるでしょう。

それにも関わらずサルゲッチュは根強い人気を持ち、2019年には「サルゲッチュ20周年記念」と称しTwitterアカウントが開設され、グッズ販売やイベントが行われました。

なぜサルゲッチュは愛され続けているのでしょうか。

サルゲッチュに魅了されていた子供の1人として、今回はメインシリーズ最終章である「サルゲッチュ3」を中心に解説していきます。

謎解きアクション

「逃げるピポサルを主人公が追いかけて、アミで捕まえる」
サルゲッチュは単純な設定です。

ただ単純だからこそ、ステージの種類が多く、プレーの自由度も高いなど、プレーヤーを飽きさせないように随所に工夫がなされています。

ピポサルを守る敵やボス戦もあり、バトルが頻繁に発生します。

そのため、アクションゲームとして楽しめることは勿論ですが、腕っぷしの強さだけではクリアできません。

サルゲッチュの特徴はステージ上の至るところにある仕掛けであり、その仕掛けを解いていくことでステージを進めます。

サルゲッチュ3において、主人公は、ガチャメカという8種類の武器と7種類の変身を使えます。

変身はサルゲッチュ3で追加された機能で、ニンジャやヒーローに変身することで新しい技を使えるようになり、解除できる仕掛けの種類も増えます。

「目の前は絶壁…でも、〇〇という装置がある」→「△△の武器を上手に使って突破しよう!」

「行き止まりだ…でも、壁に〇〇という模様がある」→「△△に変身して突破しよう!」

このように、程よく頭を使いながら仕掛けをクリアしていき、ピポサルを探すのです。

”おバカ”なピポサル

サルゲッチュは上記のように豊富なギミックを乗り越え、逃げ惑うピポサルを捕まえるところに面白さがあります。

しかし、サルゲッチュ最大の面白さはアクション面ではなく、ピポサルが”おバカ”なことだと思います。

ピポサルは常に”おバカ”で、コミカルな動きをな繰り返し、思わず笑ってしまうようなマヌケな鳴き声を出してはプレーヤー楽しませます。

ピポサルの種類も豊富です。

プレーヤーに気づくまでずっと踊っているピポサル、サルゲッチュ3の応援隊長であるアンガールズの真似をしたピポサル、パンツを失い絶望してるピポサル…

サルゲッチュ3より

そんな愛くるしいピポサル達はプレーヤーの接近に勘づき、「ふぇ?」とマヌケな声を出して、プレーヤーに気づくと「ピキー!」と鳴き声を出して飛び上がります。

そして「テクテクテク」と足音を出しながらプレーヤーから逃走するのですが、何を間違えたのか、ピポサルの中には逃げながら突然進路変更をして、プレーヤーの元へ走ってくる者もいます。

こちらへ走ってくるピポサルを難なくゲッチュ。なお、ピポサルを捕まえることを、「ゲッチュ」とゲーム内では呼びます。

そもそも、サルゲッチュ3のパッケージ裏から”おバカ”全開です。

サルゲッチュ3のパッケージ裏

パッケージ裏のゲーム解説を抜粋します。

おサルな番組をやめさせろー!
またまた逃げ出したピポサルたちが、今度はなんと世界中のテレビを占領!くだらなさ全開のサル番組をついつい見ちゃった人間たちは、み〜んな脱力してナマケモノになっちゃったらしい…。

ゲームをプレーする前からサルゲッチュの”おバカ”な世界観が溢れ出しているのです。

別の例を挙げると、PSPで発売されたサルゲッチュシリーズの別ゲーム「ピポサル戦記」では、以下のような商品説明が公式でなされています(一部抜粋)。

うっかり魔物の封印を解いてしまった“ピポサル王子”のちょっとマヌケな大冒険!

・“おバカワザ”炸裂する白熱のバトル!
・ちょっとマヌケな“サルゲーイベント”どっさり!
・ボリューム満点!“おサルなクエスト”!

ピポサルならではのおバカなノリを満載した、ピポサルシリーズ初のRPG!
さあ、ハチャメチャな冒険に旅立とう!

出典:https://www.hmv.co.jp/artist_Game-Soft-PlayStation-Portable_000000000252014/item_%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%B2%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A5-%E3%83%94%E3%83%9D%E3%82%B5%E3%83%AB%E6%88%A6%E8%A8%98_3520872

このように、サルゲッチュはどこまでいってもピポサルが”おバカ”であり、プレーヤーを笑わせてくれるのです。

”おバカ”を貫くピポサル

サルゲッチュは、攻撃してくる敵とのアクション、障害物を乗り越えるための少し複雑な仕掛け、強敵とのボス戦。

これら全てをフリにして、”おバカ”なピポサルに笑わせられながら、ピポサルを追いかけ回し捕まえるゲームなのです。

複雑なアクションが求められるステージや、少しだけシリアスなシーンもありますが、全てはピポサルの”おバカ”さを味わうための伏線であり、高い壁を乗り越えた先にはとびきり”おバカ”なピポサル達が待っています。

サルゲッチュ3には、あの超大作「メタルギア」とコラボした「メサルギアソリッド」というミニゲームもあり、メタルギアを知っている人も知らない人も、ピポサルがカッコつけていながらも”おバカ”である雰囲気に笑ってしまうでしょう。

サルゲッチュは子供から大人まで、幅広い年齢のプレーヤーを想定したゲームです。

「笑い」という難しい感情の創出を、あらゆる年代の人に向けて挑戦した意欲作であり、”おバカ”なピポサルを使って常にプレーヤーを笑わせようとしてくるサルゲッチュは、生粋のエンターテイメントだと思います。

そしてその愚直な”おバカ”さにこそ、製作者の格好良さを感じるのです。

サルゲッチュ20周年を記念し、何かが行われることを予告したツイートを見た時、僕は「新作が出るのか!」と期待してしまいました。

グッズ販売やイベントなどで終了した20周年記念でしたが、「またピポサル達と遊べるかもしれない」と期待していた僕は残念な気持ちでした。

結局、新作の発表もなく「また逃げることにするよ」とツイートに残してピポサルは去ってしまいました。

それでもピポサルのことですから、「また何かを間違えてしまい、僕達プレーヤーに向かって走ってきてくれるのではないか」と、”おバカ”な期待をしてしまうのは僕だけでしょうか。

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