東京卍リベンジャーズは面白い?つまらない?なぜ人気か魅力の理由を考察!

作品の感想
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今最も勢いのある漫画の一つは、東京卍リベンジャーズですね。

最近人気になったような印象を受けますが、連載自体は2017年から始まっています。

2021年から公開が開始したアニメや、同じく2021年夏に上映された実写映画の影響が大きく、近年になり売れ行きが加速しているようです。

かくいう自分も、アニメを見て面白そうだと思い東京リベンジャーズを読み始めました。

「まだ東京リベンジャーズを読んだことはないが、気になっている」という方もいらっしゃると思います。

今回は東京リベンジャーズのどこが面白いのか、紹介したいと思います。

まだ読んだことのない人、すでに読んだことがある人もぜひ読んでみてください。

東京リベンジャーズの簡単なあらすじ

「過去に戻りたい」と、思ったことのある人は多いでしょう。
「あの頃は良かったなあ」という具合に、誰しもが人生の全盛期なるものを持っていると思います。

東京リベンジャーズで重要な設定は、タイムトラベルです。

未来に行くのではなく、現代と過去を行き来する形のタイムトラベルです。

この作品の主人公であるタケミチ(26歳)は、ダメな人間として描かれます。逃げてばかり、プー太郎、モテない、分かりやすくダメな人物です。

ですが、そんなタケミチ(主人公)にも人生の全盛期がありました。
それが中学生時代です。

タケミチは中学時代にヤンキーをやっており、さらにヒナという美人な彼女がいました。

残念ながら、ヒナ(彼女)とは現代ではとっくに別れています。

ある日、タケミチがテレビを見ていると、ヒナがある事件に巻き込まれたというニュースを目にします。

そして、ひょんなことから全盛期である中学時代にタイムスリップしたタケミチは、ヒナを助けるために過去を変えようとします。

こうして、物語は現代と過去を行ったり来たりし、様々な展開が生まれていくのです。

余談ですが、「中学生の時が人生一番楽しかった」というタケミチに共感できる読者は多いのではないでしょうか。

小学生の時よりも知識がついてきて体も成長しているものの、まだ責任もなく、遊んで暮らせる、そんな日々を中学生の時に送ってきた方は共感できると思います。

さらに共感させられるのが、「タケミチの中学時代が実は大変ダサかった」ということです。

タイムスリップをした時、仲間達は楽しそうですが、大人になったタケミチは中学時代の自分を見て、あまりのダサさに驚きます。

また、過去に戻ってすぐに上級生のヤンキーからボコボコにされてしまいます。

タケミチはこの嫌な思い出を忘れていたようで、過去に戻ることで思い出させられてしまいました。

思い出はいつでも綺麗になってしまうものですが、僕達の楽しかったあの頃も、実は無意識のうちに美化しているだけなのかもしれません。

タケミチを見ているとそんなことを考えさせられます。

少し話がそれましたが、「彼氏が彼女を助けるために、過去にタイムスリップ」というのは、物語としてはよくある非常にベタな展開ですよね。

そして「ヤンキー漫画」というのもまたベタです。

このベタとベタで構成される分かりやすい設定の中に、東京リベンジャーズにしかない面白さがあるのです。

以下では、面白いポイントを紹介していきます。

好転する現代と暗転する現代

タケミチは過去を変えようと苦心しますが、残念ながら変えられる過去も、変えられない過去もあります。

もちろん過去を変えられなかった場合、現代も変わりません。

しかし、過去を変えたと思っても、なぜか現代に帰るとより悪い現代になっている場合もあります。

つまり、過去に戻ってタケミチが活躍したとしても、現代は何も変化がないか悪化していることもあるのです

沢山の登場人物の関係が複雑に絡み合っているため、様々な条件や状況が全て噛み合ったときだけ、ようやく現代が好ましい方向に変わります。

この「過去を変える」ことの難しさが歯痒さでもあり、面白さでもあります。

さらに複雑なことに、過去を変えることで現代の敵・味方も大きく変わります

少し分かりづらいので、ドラえもんを例に上げて解説します。

ドラえもんとのび太もタイムマシンを使って、未来や過去に行けますよね。

ある未来ではのび太はジャイ子と結婚していますが、ある未来ではしずかちゃんと結婚しています。

ただ、どちらの未来でもジャイアン、スネ夫、しずかちゃんが友達であることは変わりません。

もちろん、のび太の性格も変わりません。どの未来でもドジですね。

ですが、東京リベンジャーズの場合は、どのような過去に変えたかにより敵や味方、さらには人の性格(善・悪)までも大きく変わってしまうのです。

過去を変えて、現代に戻ったとします。
Aという現代では善人であり味方であったしずかちゃんが、Bという現代では極悪人として描かれることもあるのです。

このような「偶発的な環境」によって、同じ人の人生でも大きく変化する様子がうかがえるのが、一つの面白さだと思います。

過去と現在を行き来する度に、キャラのあまりの変化には驚くばかりです。

例えが多くて恐縮ですが、キャラの変化からは中学校の同窓会を思い出します。

「懐かしいあいつがこんなに変わってる!」という感覚を、タケミチが過去と現代を何度も行き来して、読者と共にキャラの変化を目の当たりにすることで味わえます。

一方でどれだけ過去と現実を行き来しても、なぜかほとんど変わらないキャラもいます

このように、過去を変える話というのは、どうしても変わった部分にだけ注目してしまいますが、「変わらない過去は何か」「変わらない人は誰か」という部分も非常に作り込まれています。

そしてなぜ変わらないのかを行動しながら考え、苦悩するのが東京リベンジャーズの面白さです。

「変わらない部分に人生の深さを感じる」などと言うのは簡単ですが、一言ではまとめられないような言語化し難い感情を、「変わらない過去・人」からは感じさせられます。

単純なタケミチ(主人公)が触媒になる

「過去が変わる」「変わらない」「タイムトラベル」と聞くと、非常に話が難しそうですよね。

実際、過去と現在を行き来する展開の中で、僕は事態が飲み込めないことが何度かありました。

しかし、主人公であるタケミチは読者以上に状況が理解できておりません。

そのため、タケミチは非常に分かりやすい、単純な行動を取り続けます。

設定や展開は難しさもあるのですがタケミチの行動は簡単ですので、難しい展開の中での単純・真っ直ぐな行動というのが、かえって豪胆に映り爽快です。

また、タケミチは物語を動かす中心になるような、主人公らしい一面を多分に持ち合わせています。

しかし、「主人公の頭脳・腕力で、独力で事件を解決」という場面は、まずありません。

タケミチはケンカの弱い人物であり、化け物級に強い味方と比較すると、誰しも共感できる一般人として描かれます。

そんなタケミチが直接事件を解決することはできないものの、周囲の人間に働きかけることで、過去が変わるような何か小さいきっかけを与えて物語は進みます。

つまり、タケミチは常に他者と他者との間に立ち、良い現代へ繋げるための小さなきっかけ作りをしているに過ぎないのです。

この「主人公でありながら、周囲を活かす触媒」のような、裏方的な役割を果たしているのがタケミチです。

凡人のタケミチが気持ちで周囲を動かし、徐々に過去が変わっていきます。

そうして、何人も救われる人達がいるのです。

もちろん、一番救うべきは彼女であるヒナですが、もう一人います。

マイキーという第二のヒロイン

この作品の大人気キャラクターは、通称「無敵のマイキー」ことマイキーです。

マイキーは小柄なのですが、文字通り無敵です。
ヤンキーと喧嘩になるたびに小柄なマイキーが常に相手を圧倒します。

進撃の巨人を読んでいた方は、かわいいリヴァイ兵長をイメージしてください。

とにかくマイキーが強く、最強であるマイキーには常にタケミチしかり、仲間達は助けられます。

ただ、「最強で頼りになるマイキー」が、実は守られる存在でもあるのです。

東京リベンジャーズにおける守るべきヒロインは、タケミチの彼女であるヒナです。

そして、ヒナを助けることを目的に物語は展開されます。

ですが、「彼氏が彼女を助ける」という分かりやすい物語の中に、実はケンカの弱い主人公が、無敵のマイキーを助けるという矛盾が感じられるような目的も隠されています。

「なぜ弱い者が、強い者を助けるのか」

このような矛盾に疑問を抱くこと、これが今作のミソです。

一見強そうに見えるマイキーですが、「他者から見るマイキー」はマイキーという人間の一部分に過ぎません

ついつい僕達は他人をイメージで判断してしまいますが、人は何面も自分を持っており、簡単に把握できるような単純な存在ではないのだと考えさせられます。

納得の人気

東京リベンジャーズの面白さが伝わったでしょうか?

おそらく東京リベンジャーズがつまらない人の理由は、「喧嘩シーンが暴力的」「ベタすぎる」「主人公が暑苦しい」などではないでしょうか?

ですが、東京リベンジャーズは「喧嘩に明け暮れるヤンキー」「タイムトラベル」「諦めない主人公」というベタのオンパレードのような設定の中に、何個も捻ったストーリー展開、人間ドラマがあるのです。

設定がベタだからこそ、この作品にしかないオリジナルな空気感が際立つのです。

過去と現在を行き来する中で、変わること、変わらないこと。そして主人公であるタケミチが円滑油となり、築かれる重曹的な人間関係。救われる弱き最強。

まだ読まれてない方は、ベタ×ベタの中にある「ここにしかない面白さ」をぜひ探してみてください。

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